研究課題/領域番号 |
01550243
|
研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
助川 徳三 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30006225)
|
研究分担者 |
木村 雅和 静岡大学, 電子工学研究所, 助手 (50177929)
田中 昭 静岡大学, 電子工学研究所, 助教授 (50022265)
|
キーワード | 燐化ガリウム・インジウム / 混晶基板 / 緑色発光ダイオ-ド / 結晶成長 / 液相成長 / 格子不整 |
研究概要 |
本年度は昨年度得た知見をもとに、GaP基板上に緑色帯に対応するGaP組成0.7のGalnP混晶を如何にして成長させるかを検討し、二つの方法を実験した。一つはGaPに近い混晶組成から順次階段的に組成の異なる層を成長させ組成0.7に移行させる方法で、この場合、組成の飛びがどの程度まで可能であるかを調べる必要がある。二つ目はGaPに近い組成から目的組成まで連続的に組成勾配をつける方法で、熱力学検討を必要とする。第一の方法に関して、昨年度見出した層状成長に関する二つの成長モ-ド;基板と成長溶液の接触時における非平衡条件下と平衡条件下での層状成長について、降温速度、平衡保持時間、成長混晶組成等の影響を調べ、平衡に近い成長条件ではGaP成分0.9程度まで、また非平衡条件下では0.75程度まで層状成長が可能であることが判った。また第二の方法に関して熱力学的検討を行い、温度降下法による実験によって、組成0.95から0.61に変化する組成勾配層が実験できた。これらの実験で得た知見をもとにyoーyo法による厚膜成長実験を行なった。その結果、GaInP系においてもyoーyo法の原理が適用できること、わずか20回のyoーyoサイクルで200umの厚さの混晶層を得ることが出来ること等が判った。このことから前述した階段的あるいは連続的組成勾配層形成技術と組み合わせることによって混晶基板が実現できると考えられる。一方、デバイス応用の基礎技術を確立するため、GaAsP基板上へ成長した混晶基板が実現できると考えられる。一方、デバイス応用の基礎技術を確立するため、GaAsP基板上へ成長したGaP成分0.7のGaInP混晶にZn拡散をし、発光ダイオ-トを試作した。分光測定の結果、発光ピ-クは緑色帯の580nm付近にあり、デバイス設計等の最適化を図ることに依って高効率発光の得られる見通しが得られた。
|