研究概要 |
ヘリカル異方性による磁壁ピンニングを導入することにより,アモルファスリボンでバルクハウゼン跳躍センサ-を得る方法を開発した.最終年度は,磁化反転のメカニズムを調べることにより,センサ-機能を安定性について検討した. (1)誘導異方性の付与による磁壁ピンニングは100e以上に大きいため,バルクハウゼン跳躍による磁化反転は逆磁区の生成と,その急激な成長により引き起こされる. (2)ピンニングされた磁壁厚みは,異方性エネルギ-が低下するため,2μm程度に達し,ひきつずき,ヘリカル異方性を導入することにより拡大する.最大,6μm程の幅広磁壁が観察された. (3)ピンどめされた磁壁は,静磁エネルギ-を低下させるため,表面でネ-ル構造,内部でブロック構造の二重構造を取る.また,この磁壁は,これまで観察されなかった,磁壁のオフセット等の新しい姿態を呈することが判った.これらの事は,結晶磁気異方性が存在しないアモルファス磁性体に特有な現象であると考えられる. (4)バルクハウゼン跳躍による一斉磁化反転は,反磁界の効果が強いため,リボンエッジ部に残留する逆磁区の磁壁ピンニングからの離脱,成長による.この為,センサ-特性の安定化のためには,反磁界を生じないような,スム-スな試料エッジを有するリボンを使用するひつようがある.
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