研究概要 |
1.雑音が一定レベルから出発して障壁に到達するまでの時間,すなわち初通過時間の時間分布などを調研究の発展として,障壁が元の雑音の自己相関関数に等しい場合に,更新関数が簡単になる性質を利用してベル交差時間の分布を実験的に求め,これから元の雑音の自己相関関数を推定する事を試みた.一部に推定が大きくなる部分が生じたが,基本的には推定が可能である事を示した. 2.正弦波+雑音過程の位相のレベルクロス間隔分布を,対象とする雑音の電力密度スペクトルがバタ-ス型で有る場合について,信号対雑音比を種々変えて測定した.前年度の雑音がガウス型の電力密度スペクの場合に比して,疑似独立の仮定が成立しない事が多い事があきらかになった.また,間隔分布は,正弦波い場合は,クロスレベルに依存しない事,信号対雑音比が大きい場合には,ゼロレベル交差の分布は振幅のレベル交差の分布に等しくなる事などがわかった. 3.時間原点をずらす事によって,因果律を満足しない電力密度スペクトルを見かけ上実現して,理想低断特性に極めて近い特性を持った雑音を生成する試みは,ワ-クステ-ションを使用した場合と9個のトラピュ-タ(4個の通信ポ-トを有するマイクロプロセッサ)を使用した場合を実現してみた.後者は前者の倍のスピ-ドで雑音を発生する事ができた.しかし,スペクトルの遮断特性は予想よりもシャ-プでなく,数などに工夫が必要である.しかし,時間的には実験に使用できるシャ-プが得られたので,今後は統計的質を調べる方向に進みたい.
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