研究課題/領域番号 |
01550277
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
谷萩 隆嗣 千葉大学, 工学部情報工学科, 教授 (90009530)
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研究分担者 |
山本 一雄 千葉大学, 工学部情報工学科, 教務職員 (30110290)
江原 正明 千葉大学, 医学部附属病院, 助手 (50176781)
亀井 宏行 千葉大学, 工学部情報工学科, 助教授 (60143658)
大藤 正雄 千葉大学, 医学部第一内科, 教授 (80009456)
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キーワード | 超音波断層画像 / 医用画像処理 / 肝硬変 / 超音波診断 |
研究概要 |
肝臓病を対象とした超音波断層画像処理システムの開発を行うために本年度はまず幾つかの設備を整えた。ポラロイド写真のような画像診断デ-タによる画像入力を容易にするために、CCD内蔵のテレビカメラを購入し、さらに20インチのカラ-モニタを導入して結果を見易くすることにした。これらの設備を整えた後で、種々のコンピュ-タ用ソフトを作り、当初の目的を達成できるようにした。 本年度は、肝臓病として特にポピュラ-な肝硬変を取り上げ、ポラロイド写真による症例デ-タを画像入力として取り込むことによって肝硬変の進行状況をコンピュ-タで自動診断できるようにすることを試みた。肝硬変の症例診断においては、超音波断層画像における低エコ-病変に着目して進展度の自動診断が可能となるようにした。肝硬変の場合には症例をO型(正常)、I型(低エコ-部分の大きさが3mm以内)、II型(3mm以上5mm未満)、III型(5mm以上)に分けて、これらの症例診断をコンピュ-タで行うことにした。I型は軽度の肝硬変、II型は中程度のもの、III型は重度のものである。 ポラロイド写真による肝硬変の症例デ-タを画像処理システムに取り込み、幾つかのアルゴリズムを用いて肝臓の実質パタ-ンの特徴抽出を行った。それらの結果、コントラストに着目してO型とそれ以外に分類し、I〜III型についてはテクスチャ解析の手法を適用して分類する方法が有望であることが分かった。コンピュ-タ診断によって得られた結果を専門家の大藤教授、江原助手が見た結果、医師による診断結果とほぼ一致していることが確かめられた。従って、本方法は非常に有望であると考えられるので、次年度も引き続いてこの問題を考え、さらに改良をしていきたいと考えている。また、肝硬変以外にも肝臓がんや脂肪肝の問題などもあるので、次年度にはこれらを総合的に扱えるようにしたい。
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