移動ロボットのように未知の環境の中を自由に動き回るためには、観測画像を解釈して環境を理解し、障害物を避けるなどの行動計画の決定変更を行わなければならない。 本研究では、ロボットが外界を観測し、それをもとに行動していくようなモデルについて、構造木を用いてロボットを行動させる方法を提案した。構造木とは、1次元波形に広がりσを持つガウス関数を畳み込むことによって得られる一般化波形の1次等高線の変曲点からなる曲線であり、波形の凹凸構造を3分木によって階層的に表現したものである。 具体的には、ロボットの行動環境を高さ方向に一様な世界をモデル化した2次元環境とし、障害物として木をモデル化した円柱を用い、自走式ロボットが単眼視によってこの環境から得る1次元濃淡画像をもとに環境を理解し、障害物を避けながら自由に動き回るような問題について検討した。 ロボットには、複数の経路があるときにそれらを階層的に洗濯する能力や、経路を記憶する能力があるとした。これを構造木に対応させて考えると、構造が新たに生成した場合が経路を洗濯する必要の生じた時点であり、構造が消滅した直前の時点が記憶すべき時点となる。 シミュレ-ション実験による結果、観測画像の波形の構造解析を行うことにより、環境を理解し、効率的な行動を行うことが可能となることが確認された。
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