研究課題/領域番号 |
01550310
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
稲垣 直樹 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (30016464)
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研究分担者 |
菊間 信良 名古屋工業大学, 工学部, 助手 (40195219)
畑 雅恭 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (90180877)
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キーワード | 構内無線通信 / 多重波伝搬構造 / MUSIC法 / 到来方向推定 / 小形アンテナ回転走査 / 遅延時間分布推定 / ダイバ-シチ受信 |
研究概要 |
ビル内情報機器端末を無線ネットワ-クにより接続する構内無線通信は経済性と機動性に優れているが、安定性と信頼度に課題がある。無線LANの構築のために電波利用技術の脆弱性克服技術を開発することを目的として研究を継続して行った。本年度の主な研究成果を要約すると“室内における多重波伝搬構造の把握"、即ち到来電波の数と到来方向及び遅延時間分布を室内実験に基づいて推定することである。到来方向の推定においては、(1)被測定領域が狭くても高分解能が得られ、(2)測定装置が簡易で良く、(3)雑音に余り影響されない、という特長を有するMUSIC法を用いた小形アンテナ回転走査による多重波到来方向の推定方法を提案した。遅延時間の推定においても、受信アンテナとして測定周波数範囲内で指向性が変化しないものを用い、測定周波数を一定間隔で変化させると分解能の高いMUSIC法が適用出来る。計算機シミュレ-ションと電波暗室内の実験により、これら推定法の分解能はS/N比30dBの場合、将来方向に関しては5度、遅延時間分布に関しては10OMHzの周波数帯域で3nsecであることが分かった。6.32×4.32m^2の面積の室内で1.25GHz帯の実験を行なった。送信アンテナにディスコンアンテナを使用し、受信アンテナとして到来方向推定ではコ-ナリフレクタアンテナを、遅延時間推定ではディスコンアンテナを使用した。到来波数は5〜10、直接波に対してー20dB以上の波の遅延時間70nsec以下であり、かなり複雑な伝搬環境であることが分かった。このような電波環境下でのデ-タ通信にとって、昨年から研究を行っているダイバ-シチ受信方式が安定性と信頼性の点で不可欠であると言える。
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