(1).磁性流体を用いて、茎ざし、根ざしで栽培したカイワレダイコンの生育状況を明らかにした。この結果、磁性流体濃度が増すほどカイワレダイコンの葉および胚軸双方とも単位グラム当りの鉄分量が高い値を示すことがフェライトロリン法による化学分析結果より了解された。 (2).磁性流体の吸収メカニズムを明らかにするため、茎ざしおよび根ざし双方で栽培したカイワレダイコンの胚軸における維管束の光学顕微鏡の観察結果より磁性流体が十分に吸収されていることが視覚的に明らかになった。 (3).磁性流体および化学成分によるカイワレダイコンの栽培と、直流磁場の印加による生育への影響についての実験では、ほとんど影響がみられないことが了解された。 (4).短期間生育の場合に発根に及ぼす影響として、トラデスカンチアを茎ざしし、発根の影響について、磁性流体および分散剤の各化学成分で生育した試料と、蒸留水で栽培した試料の発根の時期、発根数および根の長さを測定し、さらに各試料の根の部分の光学顕微鏡写真より、それぞれの栽培液による発根への影響を明らかにした。 (5)長期間生育による発根への影響を明らかにするため、サンデリア-ナ、アカメヤナギを用いて実験した。その結果、オレイン酸および磁性流体で生育した試料は蒸留水およびDBSで栽培した試料と比較し、発根および生育ともに劣ることが了解された。 以上の結果、磁性流体による発根および生育には、磁性流体中の分散剤であるオレイン酸が顕ちよに影響していることが明確となった。
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