研究課題/領域番号 |
01550328
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
石井 直宏 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50004619)
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研究分担者 |
太田 龍朗 名古屋工業, 医学部, 講師 (00109323)
高橋 健一 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10126922)
岩田 彰 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (10093098)
池田 哲夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (50005253)
鈴村 宣夫 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (10023102)
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キーワード | 波形認識法 / 脳波・眼球運動・筋電図 / 非定常波形の検出 / 睡眠紡錘波 / Complex Modulation法 / 周波数精密測定 |
研究概要 |
神経系の情報は脳波、眼球運動および筋電図の多次元の観測量として現れる。すでに我々は脳波解読のため、藤森法に基づく改良波形認識法を提案し、睡眠中の脳活動をこの脳波解読の手法を用いて明らかにして来た。しかしこの方法はヒトの認識感覚をまねた手法であるため、睡眠紡錘波の出現中にその周波数成分の範囲外の成分が混ざり合う時、それらの扱い方により睡眠紡錘波の周波数や振幅などの計測は不正確となる。また、睡眠紡錘波の個々の波の周波数を計測するものであるため、周波数の時間的変動を詳細に分析することができない。 本年度は、睡眠紡錘波の周波数精密計測法の確立のため、新しい検出法を展開した。すなわち、非定常な狭帯域信号の振幅と位相の時間変動を追跡する目的で、比較的簡便かつ有効性のあるComplesx Demodulation法(CD法)による検出アルゴリズムを新たに考察した。ここでは瞬時振幅の計測に高速化を図るためヒルベルト変換を用いた。また瞬時周波数を計測する際、高精度をも考慮し補間法を適用するCD法に改良した。この改良CD法に関して、従来のCD法と同じコンピュ-タ・シミュレ-ションおよび実際の睡眠紡錘波に適用したところ、検出した紡錘波はほとんど一致しており、処理速度は周波数領域での改良CD法が時間領域でのCD法よりおよそ2.5倍になり、十分に実用性のあることを確認した。 従来の自動解析法では、周波数の異なる二つの睡眠紡錘波が連結して出現する場合、その紡錘波を中心部誘導の脳波のみで二つに分離して各々の周波数を計測することは極めて困難であり、一つの睡眠紡錘波として扱っていた。本研究では改良CD法により、わずかな周波数変動をコンピュ-タで精密に処理することにより、このような連結型の睡眠紡錘波を分離する手法を考察した。また眼球運動については、低い周波数成分に重疊する高い周波数成分の追従性のモデルについて検討を進めた。
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