研究概要 |
1.東京水産大学に新設された大型室内水槽(最大径5m)においてウグイを用いて魚群行動を観察し,ビデオテ-プに記録した。 2.魚群行動の画像デ-タから個体の位置及び速度,魚群の大きさ及び進路に関する時系列デ-タを求めた。デ-タの種類としては,野外水槽におけるニジマス,大型室内水槽におけるウグイ及び小型室内水槽におけるタイリクバラタナゴがあり,群の個体数としては2尾から20尾までのデ-タが得られた。 3.多くの個体をもつ群の行動を,群の代表個体の運動と代表個体のまわりの群の形状変化の2つの成分に分解できると仮定して,それぞれのモデルを作成した。代表個体の運動を表すモデルは物理モデルであるが,シミュレ-ションによりモデルの妥当性を検証した。一方,群の形状変化は不規則なので,そのモデルは自己回帰モデルとしたが,モデルの最適次数AIC法により2または3であることがわかった。この結果は,個体数が2尾から20尾までの魚群に対して有効である。自己回帰モデルの妥当性は,残差の白色検定によって確認した。 4.フィ-ルドにおける魚群行動に影響を及ぼす藻場環境の育成は重要な問題であるが,その基礎研究として藻類の成長過程を予測するモデルを考察した。成長の要因として温度と光強度の影響を主に考察して,シミュレ-ションによりその妥当性を検討した。
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