研究課題/領域番号 |
01550347
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
都井 裕 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40133087)
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研究分担者 |
弓削 康平 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10200867)
小畑 和彦 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (80013150)
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キーワード | ブロック構造体 / 剛耐・ばねモデル / 摩擦接触 |
研究概要 |
本研究では、石造ア-チ、機械構造物、発泡スチロ-ルブロック集合体など、有限個の固体ブロックから構成される構造物の静的および動的非線形挙動問題に対し、剛体・ばねモデル(the Rigid Bodies-Spring Models略称RBSM)による2次元数値シミュレ-ションを試みた。このようなブロック構造物の非線形挙動は、各ブロックの弾性変形だけでなく、ブロック間の接触/非接触、がた、摩擦すべりなどの要因に支配される。したがって、シミュレ-ションモデルとしては、RBSMのようにブロック間の相互作用に関わるこれらの非線形因子を考慮し易い離散系力学モデルが極めて好都合である。さらに、このモデルにおいては、要素を結合するばね定数は隣接要素間の弾性剛性を反映しており、動的接触問題の有限要素法においてしばしば用いられるペナルティ法、ギャップ要素法において見られるような、要素境界において人工的に仮定された高剛性に起因する数値的問題を回避することができる。開発したプログラムにより、集中荷重による石造ア-チの静的崩壊挙動およびトンネル構造におけるア-チ効果と静的局所崩壊挙動の解析を行なって、摩擦接触解析アルゴリズムの妥当性を確認した上で、水平加振を受ける発泡スチロ-ルブロック集合体の動的応答解析を行ない、別途実施された実験結果と加速度応答スペクトルが良好に対応することを確認した。これらの研究を通じ、任意多角形ブロック集合体の静的・動的非線形挙動を議論する際に本プログラムは極めて有用であることが実証された。また、本解析法は、機械構造物なども含めたより広い範囲のブロック構造体の動的非線形解析に対しても同様に有用であろう。
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