| 研究概要 |
前年度までの研究成果を総合し,保留システムの設計への応用を考慮し,風浪中に於ける海洋構造物の非線形応答の程度を調べた。
臓体的には,ノルウェ-FPS2000比較計算プロジェクトに参加した流体力デ-タをベ-スにして,風荷重,潮流抵抗,波浪漂流力による非線形応答の程度を,種々のパラメ-タを変えて調査した。その結果,パ-ジ型浮体に対しては波浪漂流力と風荷重の影響が大きく,半潜水式浮体に対しては潮流抵抗の影響が顕著であることなどがわかった。
また,係留ラインの動的解析をLumped mass法で行ない,非線形流体力の影響により微小振幅の振動の方が動的影響が大きいことなどがわかった。
これらのことから,より精度良い非線形応答解析を行なうべく,多方向不規則波中に於ける波浪漂流力の計算方法を検討し,計算プログラムを開発した。この計算結果によると,長波頂不規則波としての従来の計算結果に比べ,短波頂不規則波としての新たな計算結果は波浪漂流力に対しても20〜30%の相差があることがわかった。したがって,今後の風浪中に於ける海洋構造物の非線形応答計算に於いては多方向不規則外力として扱いが重要であるとの知見を得た。
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