研究課題/領域番号 |
01550355
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
姫野 洋司 大阪府立大学, 工学部, 教授 (50081394)
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研究分担者 |
高松 健一郎 大阪府立大学, 工学部, 助手 (10081390)
西尾 茂 大阪府立大学, 工学部, 助手 (30208136)
馬場 信弘 大阪府立大学, 工学部, 講師 (10198947)
平野 進 大阪府立大学, 工学部, 講師 (70081388)
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キーワード | 粘性流体 / 数値計算 / CFD / 最小低抗 / 湾内流 / 3次元剥離流 |
研究概要 |
本研究の最終目標は、最近の数値流体力学の手法を船体まわりの粘性流れに応用してその講造を明らかにすることである。そのために本研究では、各種数値解法スキ-ムの開発と検討、実験による船体まわりの流れと流体力の計測、そして最終段階として数値計算による船体まわりの流れの講造の解明を目的として設定して研究を行なった。 平成2年度は前年度に続き粘性流体の基礎方程式であるナヴィエスト-クス方程式の離散化解法の開発を行ない、有限差分法および有限体積法による数値解法を試みた。計算法の検討のために、まず2次元流において粘性低抗を最小にする物体の形状の求解を行なった。それは流れの解法と非線形計画法の手法の組み合わせであり、得られた2次元形状はレンズ形をしており、従来の線形オセ-ン解で得られた形状と類似した結果となった。つぎに、有限体積法による数値解法の開発を行ない、その検証のために、大阪湾における潮汐流の計算を行なった。その結果は、明石海峡や友ケ島水道を通過して大阪湾に流入する流れに大規模の渦が形成されることなど従来の値と一致する結果を得た。さらに、有限差分法の応用としてコ-ド方向に変化する直径をもつ柱状円柱のまわりの非定常流を数値的に解き、柱体背面に生じる3次元剥離の挙動を調べた。その結果、結節点や渦状点となる剥離点、鞍点型付着点など物体表面に生じる典型的3次元剥離の講造の特徴を把えることができた。また、実験においては、低抗試験の解析に対して不確かさ解析を適用し、流体力計測における実験誤差の許価法を確立した。これらの諸成果は、船体まわりの流れを直接明らかにするものではないが、今後それを解明する上で十分な足がかりを与えるものである。
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