研究課題/領域番号 |
01550362
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
三木 千寿 東京工業大学, 工学部・土木工学科, 教授 (20016645)
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研究分担者 |
森 猛 法政大学, 工学部・土木工学科, 講師 (10157860)
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キーワード | 溶接欠陥 / 疲労強度 / ポテンシャルドロップ法 / アコ-スティックエミッション法 / ル-トギャップ / アンダ-カット / 亀裂形状 |
研究概要 |
荷重伝達および荷重非伝達型の十字すみ肉溶接継手を対象として、それらに含まれる溶接欠陥の疲労強度への影響を実験および破壊力学解析により定量的に評価した。さらにそれらの欠陥からの疲労亀裂の発生、進展性状を、ポテンシャルドロップ法、アコ-スティックエミッション(AE)法およびひずみゲ-ジを用いたコンプライアンスの変化から観察した。荷重伝達型継手ではそのル-ト部の不溶接部、ヒ-ルクラック、ル-トギャップが継手の疲労強度に影響する欠陥と考えられるが、そのうちル-トギャップがOの場合の不溶接部の大きさが急激な疲労強度の低下につながることが明らかとなった。荷重非伝達型継手では溶接止端部に存在するアンダ-カットが継手の疲労強度を低下させる因子である。これらの影響度は破壊力学解析により評価することが可能であるが、いずれの欠陥も疲労亀裂が進展を開始するまでにかなりの応力繰り返しが必要なこと(疲労亀裂発生寿命の存在)から、より精度の高い評価を行うには、特に長寿命域での疲労亀裂発生寿命の予測が重要であることが明らかとなった。 多点のセンサ-を用いたポテンシャル法により、表面きれつの形状、寸法の測定が可能であり、深さ0.2mm程度から検出でき、深さ0.5mm程度から形状・寸法の測定が可能となる。AE法では、疲労試験の開始初期に多数のAEの発生が認められ、その後かなりの期間AEの発生のない期間があり、ポテンシャルドロップ法やコンプライアンス法で亀裂の検出が可能となる時期から再びAEの発生が増加し始める。波形解析等により、初期と終期のAEの判別を試みたが、現在のところ不十分であり、今後の検討課題と考えている。
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