研究概要 |
構造設計用地震危険度の評価を行った。 1.地震デ-タは1885〜1988年3月までの気象庁デ-タを使用し、1925年まではマグニチュ-ドの値を-0.5あるいは-0.6の修正を施した。1926年以降は深さ100km以内のデ-タを対象とした。 2.日本全国を緯度、経度それぞれ0.5度づつのメッシュに区切り、各メッシュ内での歪エネルギ-の状態を検討した。マグニチュ-ドMの地震が発生すると、断層内(長辺/短辺=2)でエネルギ-E(logE=1.5M+16.12)が解放されるとした。長辺は佐藤の式よりlogL=0.5M-1.88、断層は水平面から45°傾いているとし、断層の水平投影面がメッシュと交わる面積分だけ、そのメッシュ内での歪エネルギ-が解放されるとした。また、歪エネルギ-蓄積率は一定とした。102年間のデ-タの年平均解放量をマグニチュ-ドに換算し、3つのクラスタ-(M=0〜7.4,7.4〜7.7,7.7以上)に分け、それぞれの平均をもって、歪エネルギ-進行率とした。 3.各メッシュのマグニチュ-ドの最大値分布を導いた。 あるメッシュ(i,j)がクラスタ-Iに属するとする。クラスタ-Iに属する全てのメッシュの歪エネルギ-状態一時間曲線は、メッシュ(i,j)を繰り返し観測した結果とする。次に、各メッシュで現在の歪エネルギ-状態Eijを求め、クラスタ-Iに属するメッシュの歪エネルギ-状態一時間曲線においてEijに等しい時刻Tigを求める。さらにTij+n,(n=50年)に対応する歪エネルギ-のうちで最大のものを求め、これをマグニチュ-ドに換算する。これは、極値III型分布によく適合すること、及現在のエネルギ-状態が高い程、n年後にあるマグニチュ-ドを超える可能性は高くなること等が判明した、これらを基に、50年後マグニチュ-ド等値線(マップ)を作成した。
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