研究課題/領域番号 |
01550373
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
辻 幸和 群馬大学, 工学部, 教授 (50048922)
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研究分担者 |
川島 俊美 群馬大学, 工学部, 教務職員 (60224771)
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キーワード | 膨張コンクリ-ト / ケミカルプレス効果 / 膨張率 / 膨張エネルギ- / 一軸拘束 / 多軸拘束 / 静的破砕剤 / 膨張材 |
研究概要 |
鋼繊維を容積で1.5%程度まで混入すると、膨張コンクリ-トを鋼繊維との付着で内的に拘束し、過膨張による力学的性質の劣化を防ぐことができた。そして、その拘束の程度は、付着性状により異なり、せん断品の鋼繊維を用いると付着が十分にあると仮定できる拘束効果を示した。しかしながら、表面が丸鋼の鋼繊維を用いると、その両端にフック形状のものがあっても、膨張作用を有効に拘束できていないことが明らかになった。 炭素繊維、アラミド繊維、ガラス繊維などの連続繊維を合成樹脂をマトリックスに用いて成形したFRPは、その表面が滑なため、組紐状に表面形状を加工したり、格子状に成形しても、膨張コンクリ-トの多量な膨張エネルギ-を異形鉄筋のように拘束することはできないことが認められた。 膨張コンクリ-トのケミカルプレス効果は、長期にわたって持続される可能性が認められた。 外側および内側の鋼管で膨張コンクリ-トを拘束した場合に生じる半径方向の仕事量は、その方向の拘束程度が異なってもほぼ等しくなることが明らかになった。半径方向の仕事量は、一軸拘束による仕事量の2倍程度となることもあったが、一般には2倍以下となった。また、軸方向の仕事量は、膨張の拘束が鋼表面の付着によるため不十分となり、膨張エネルギ-の大きいコンクリ-トを用いても、その増加は小さかった。 鋼管により静的破砕剤にスラリ-硬化体を拘束する実験は、スラリ-硬化体の急激な発熱により、精良の良い膨張率を得ることが困難であった。スラリ-硬化体の体積を減少させることおよび水中において水和熱を強制的に発散させることなどで対応したが、実際の施工方法との関連性が弱くなった。
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