様々な理由により沖積粘土を埋立材料として利用する場合、埋立はポンプ浚渫によって行われるので、泥水化した粘土の圧密に難渋することになる。この困難をさけために浸透圧を利用した工法を提案し、その工法に関する二つの基礎的研究を行った。 一つは圧密所要期間の設計の問題である。予定された浚渫速度で搬入される泥水化した粘土はその搬入期間に圧密を完了するのが理想的である。そのためには水平ドレ-ンをどのような間隔で配置すればよいか大きな問題である。本研究は幾つかのモデルケ-スを想定し、大ひずみの有限要素圧密解析を行い検討した。その結果は平成2年度土木学会学術講演会において発表の予定である。 今一つは浚渫粘土の圧縮性の問題である。泥水化した粘土は完全に組織構造が破壊されており、高密度化が最も容易に行える状態にある。一方では、零からの出発なので含水比一定のまでシキットロピ-による強度発現作用も著しく、時間と共に粘土の圧縮性が減少する。これは埋立土量の推定に大きく影響することなので、本研究はシキソトロピ-による強度増加、圧密に伴う強度の一時的低下、そしてそれに続く再回復過程を小型ベ-ンせん断試験によって調べた。その結果は土質工学会中国支部論文報告集に報告すると共に、平成2年度の土質工学会研究発表会においても発表する予定である。
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