様々な理由のために沖積粘土を埋立材料として利用する場合、ポンプによって浚渫し、埋立ポンドに泥水状態で搬送される。しかし、こうしてできた地盤は何らかの方法で圧密固化しなければならない。現在、その圧密固化は、粘土粒子の自重による沈降圧密、土工機械のための表面固化処理、そして山土による載荷圧密の三つの手順を経て、利用可能な地盤となる。それには長時日を要することと、埋立総土量の中に占める沖積粘土の割合を大きくすることができない難点がある。この難点をさけるために浸透圧を利用した圧密固化工法を平成2年度土木学会年次学術構演会において提案した。本年度の研究目標は、提案した圧密固化工法の効果の確認と設計法および設計に必要な諸特性を求めるための試験法の確立である。 圧密固化工法の効果の確認は、試作した比較的大型の室内模型実験装置を使い、幾つかの代表的モデルケ-スについて行われ、期待通りの効果が得られることが確認され、その結果は平成3年度土質工学会研究発表会において報告の予定である。 設計法および設計に必要な諸特性を求めるための試験法の確立のための基礎研究は、上述の室内模型実験の結果をもとに行い、その成果を平成3年度土木学会学術講演会および平成3年度土質工学会研究発表会において報告の予定である。なおその設計法および試験法の適用性については、異った土、異ったケ-スにおいて確かめねばならない。したがって提案の設計法や試験法の適用性の確認が、平成3年度の主要な研究目標となる。
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