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1990 年度 実績報告書

河口砂州自然開削の実測・実験と解析

研究課題

研究課題/領域番号 01550396
研究機関東北大学

研究代表者

首藤 伸夫  東北大学, 工学部, 教授 (90055137)

研究分担者 田中 仁  東北大学, 工学部, 助教授 (30171755)
キーワード河口 / 砂州 / 海浜過程 / 標砂 / 流砂
研究概要

1.仙台市・七北田川において二度の砂州フラッシュを観測したが,水位はほぼ同様なパタ-ンを示した。すなわち,洪水ピ-クの到達以前に河口水位にピ-クが現れ,一定の水位を保った後,急激な水位低下がみられる。これは,砂州上での越流,砂州の崩壊に対応したものであると考えられる。平均的な砂州の高さから判断して,洪水時の砂州上には水深数十cm程度の越流が生じていると考えられる。
2.二次元砂州を越える流れを再現することを目的として,kーεモデルによる自由表面を持つ流れの数値計算法を開発した。レ-ザ-流速計による実験結果と比較したところ,水面形,流速分布,剪断応力分布ともに予測値と実測値の対応は良好であった。
3.運動量保存則を用い,平衡状態と非平衡状態の掃流砂量の関係を示す方程式を得た。また,実験をもとに圧力差・斜面勾配の効果を考慮した平衡流砂量式を定めた。これを先の砂移動方程式に代入することにより,非平衡状態の砂移動量を求めることが出来る。この非平衡掃流砂量の計算法と不等流の水面計算法を組み合わせて,実験室内の二次元砂州の崩壊プロセスを精度よく再現することができた。
4.河口地形の3次元的変化を予測する手法を開発した。計算には有限差分法を用い,実験(固定床実験)および七北田川で観測された実際の洪水を対象にして計算を行った。実験結果と計算を比較したところ,水位の分布について非常に良好な結果を得た。現地を対象とした計算に関しては,水位・地形は現地観測結果と十分に一致するものではなかった。この原因としては,流砂量式に通常の平衡状態の式を用いたことが考えられる。今後,3.に述べた成果をもとに,この点を改良する必要がある。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] 田中 仁: "七北田川における河口地形変化と水理特性" 海岸工学論文集. 36. 334-338 (1990)

  • [文献書誌] 田中 仁: "七北田川の河口閉塞と河口砂州フラッシュ" 水工学論文集. 35. 275-280 (1991)

  • [文献書誌] 邵 小敏: "越流による砂州崩壊に関する実験" 水工学論文集. 35. 435-440 (1991)

  • [文献書誌] Hitoshi Tanaka: "Field measurement of the complete closure at the Nanakita River mouth in Japan" Proc of International Symposium on Natural Disaster Reduction and Ciuil Engineering. (1991)

  • [文献書誌] 田中 仁: "七北田川河口水理の現地調査" 海岸工学論文集. 37. (1991)

  • [文献書誌] 岡部 健: "出水時における河口部地形変化の数値計算" 土木学会 年次学術講演会概要集. 45. 658-659 (1990)

  • [文献書誌] 伊藤 秋彦: "七北田河口部における水位変化特性" 土木学会東北支部 技術研究発表会講演概要集. (1991)

  • [文献書誌] 邵 小敏: "越流による河口砂州崩壊過程の数値計算" 土木学会東北支部 技術研究発表会講演概要集. (1991)

  • [文献書誌] 岡部 健: "有限差分法による出水時河口部の数値計算" 土木学会東北支部 技術研究発表会講演概要集. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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