本年度の研究から、以下に示す様な事柄が明らかにされた。 1.衝撃砕波圧の主たる発生機構は、直立堤体面と衝突砕波波面間の封入空気塊の断熱圧縮過程であることが明らかになった。 2.最大衝撃波圧は、封入空気塊形状比と入射砕波特性に関係する。最大波圧に続く波圧の減衰振動には、これまで主要因と考えられていた圧縮空気塊の離脱は関係しない。圧縮過程で小気塊に分断された気泡群の高速回転運動にともなうエネルギ-逸散が、減衰に大きく寄与すると考えられる。 3.衝撃砕波圧は非常に変動性の大きい現象であることから、波圧算定モデルの確定には測定結果の基づき、封入空気塊形状比と仮想質量スケ-ルは発生確率密度分布より定式化した。
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