研究概要 |
この研究はトンネル切り羽の形状をCCDカメラとパソコンを使って,できるだけ自動的,かつ高速に求める方法を見いだすことを目的にしている。平成2年度の研究成果は以下のようである。 1.カメラキャリブレ-ションの方法についてー実用的には内部標定の完了したカメラを現場においたタ-ゲットで外部標定するのがよい。この場合の問題点はタ-ゲットの形と標定法である。前者についてはごく簡単な十字型の棒,または枠型の構造にタ-ゲットを張れば十分であることが分かった。後者についてはバンドル調整による標定プログラムを開発したが,正規方程式の解法,およびパラメ-タの最確値の計算にcholesky法を用いるのが最も効率,精度,適用性の点で望ましいことが分かった。この方法を地上測量のディジタルマッピングの中核になる後方交会法のプログラムを開発し,成果を発表した。 2.計測システムの実用化についての研究ー計測システムをEWS(SUN)上に開発した。調査の結果,現場ですぐに計算処理できる機能を持つ計算機(ラップトップEWS)は防塵の問題を除いてすでに開発されていることがわかった。しかしトンネル切り羽の計測では切り羽面だけでなくその周囲も含めた形状計測を要求される。立体画像ではこの部分は視差が大きくなりすぎるのでオペレ-タとの対話が必要である。ただこの研究で開発したシステムでは,現在のところオペレ-タは誤りを訂正するのみであって,柔軟な対話のできる環境には至っていない。成果と計測例は土木学会で発表する。
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