最もネットワ-クの形成が進んでいる名古屋管理局管内の名神高速道の夏期繁忙期の渋滞に注目し、名神高速道路を経て大阪へ向う交通に対する迂回誘導の可能性を検討するための基礎資料を得るため、フロ-ティング調査を主体とする交通実態調査を行ない、その結果にもとづいて渋滞シミュレ-ションを実施し、誘導の効果を評価した。 ◎対象路線;名古屋以東から大阪へ向う交通の目的地として.ちょうど開催中の花の万博会場を想定し、迂回路としては東名阪〜名阪国道〜西名阪を想定した。 ◎交通実態調査;調査時期としては.盆前の帰省とレジャ-交通の重なる8月10日とし、過年度の同時期の渋滞発生状況から午後から夕刻にかけて発生する下り線の渋滞を対象に7回のフロ-ティング走行を実施し天王山トンネルから栗東インタ-チェンジを越える渋滞区間の走行状況を計測した。また同時期に迂回路を対象とした同様の走行調査を行なっている。さらに対象区間内のインタ-チェンジの流出入交通量についても、人力による交通量計測を行なっている。 ◎シミュレ-ションの実施と制御手法の検討;実態調査の結界から.名神の渋滞発生中には名神ル-トの旅行時間の方が迂回路のそれよりも約1時間近くも長くかかっており迂回路への誘導が検討に十分値することを確かめた後.旅行時間の変動状況や渋滞領域伝播状況を再現する現況シミュレ-ションを目標にしてモデルのキャリブレ-ションを行ない、最も再現性のよい現況シミュレ-ションをベ-スに、名古屋以東と大阪を結ぶ迂回路への転換対象となる交通に対して、迂回誘導に応じて想定される種々の価の転換率を想定してシミュレ-ションを実施して、迂回路上の損失時間も考慮した総旅行時間を算定し、迂回誘導の効果を評価した。
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