研究課題/領域番号 |
01550426
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
八木 正一 岡山大学, 資源生物科学研究所, 教授 (30157961)
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研究分担者 |
中島 進 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (60033122)
村本 茂樹 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助手 (50033121)
青山 勲 岡山大学, 資源生物科学研究所, 助教授 (10026239)
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キーワード | バクテリア / Bacillus subtilis(バチルス・サブティルス) / Bacillus cereus(バチルス・セレウス) / かび臭物質 / 2-メチルイソボルネオ-ル(MIB) / ジオスミン / 生物化学的分解 / 生物活性炭 |
研究概要 |
現在、日本の水道水を広域的にまずくしている最大の原因のラン藻類によって産生されるかび臭物質2-メチルイソボルネオ-ル(MIB)及びジオスミンによる異臭味である。本研究では土壌バクテリアBacillus subtilis並びにBacillus cerusを使って、上記の2種のかび臭物質を分解するための基礎的条件を検討した。クロマト管を利用した簡易ロ過層に活性炭を充填し、それにバクテリア(桜井培地で培養)を固定化し培養して生物活性炭ロ過層を調整した。このロ過層にかび臭物質を含む水溶液を通してロ過し、25℃の恒温室でMIB及びジオスミンの分解実験を行った。生物活性炭に吸着されたMIB及びジオスミンをクロロホルムを用いて脱着し、かび臭物質の濃度をガスクロマトグラフ-質量分析装置により測定し、分解量を求めた。またロ液中のかび臭物質濃度を求めた。生物活性炭ロ過層が20cmで、Bacillus subtilisを用いた場合(流速48ml/min)、MIB及びジオスミンの活性炭からの回収率はそれぞれ45%(対照は75%)、53%(対照は76%)であって、良好な分解効率を示した。Bacillus cereusを用いた場合(流速48ml/min)、MIBの活性炭からの回収率は44%(対照は70%)で同様に良好な分解効率を示した。ロ液へのMIBのもれは4〜11%であった。生物活性炭ロ過層が10cmの場合、Bacillus cereusを用いた時(流速9ml/minと48ml/min)、MIBの活性炭からの回収率は約75%(対照の場合は約87%)、ジオスミンの回収率は約65%(対照の場合約92%)であった。ロ液へのかび臭物質のもれは流速9ml/minで両者共0.6〜2%、48ml/minでは両者共に8〜12%であり、流速が遅いほど吸着量が優れていた。以上の様にどちらのバクテリアを用いてもかび臭物質を分解できることが判明した。更にバクテリアの細胞を超音波ホモジナイザ-を用いて分解し、遠心機によりかび臭物質分解酵素を分離し、かび臭物質の分解の機構を詳細に検討中である。
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