1. 簡易空中写真測量法をを利用した風の観測システムの開発 現地に於て地上付近の風の流れを3次元的に捉えるシステムとして簡易的な空中写真測量を用いて測定するシステムを開発した。このシステムは、トレ-サ-として放流した風船を2個の35ミリカメラによりステレオ撮影し、その流跡線を解析するものである。撮影装置を搭載するプラットホ-ムとして、カイト気球を用いて空中より写真撮影する方法と鉄塔を用いて斜め空中写真を撮影する方法の二つの方法を開発した。 2. 風の流れの流跡線測定と解析 上記の観測システムを用いて、JR京葉線新習志野駅前の千葉工業大学芝園キャンパスに於て、建物周辺気流の観測と平地における気流の観測を行った。その結果、建物付近の剥離流の存在などの気流の様子を自然風観測のデ-タとして確認した。 3. 風の鉛直分布特性と地表面粗度との関係について。 海岸都市部に位置するJR京葉線新習志野駅前の千葉工業大学芝園校地に於て、カイト気球を用いて高さ約400mまでの風の観測を行った。今回の観測では予定していた各方位の風向の風や、強風時の風を観測することが出来なかった事、また地表粗度の抽出に時間がかかりすぎ十分解析する事ができなかったが、粗度の効果は風速の違いによりその効果が異なるなどの結果が得られ、今後の問題点として残された。 4. 山地の風の観測と解析 富津市明鐘周辺に観測点を27点選定し、地上の風向、風速の現地観測を行った。そしてそのデ-タを用いて風に及ぼす地形の影響の様子を解析した。また、2次元の三角形地形模型を用いた風洞実験を行い、風に影響を及ぼすと考えられる主要な地形因子についてその効果を検討した。
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