研究課題/領域番号 |
01550451
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
清水 昭之 東京理科大学, 工学部, 講師 (50084356)
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研究分担者 |
梅津 裕二 東京理科大学, 工学部, 助手 (60120169)
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キーワード | フレッシュコンクリ-ト / 塩分濃度差 / 屈折計 / 単位水量 / 単位セメント量 / 構成材料比 / 調合管理 / 品質管理 |
研究概要 |
*フレッシュコンクリ-ト中の水量測定上の誤差の一原因となる、セメントに吸着する水分量の検討を行ない、普通、中庸熱、早強の各ポルトランドセメント、高炉セメント、に対する吸着係数を得ることができた。 *塩水によって希釈されたコンクリ-ト中のセメント懸濁液からセメント量を推定する場合のコンクリ-ト用化学混和剤の影響について検討し、通常(JIS A 6204に規定する化学混和剤)の混和剤で通常の使用量およびコンクリ-ト2リッタ-に対し希釈液が4リッタ-以上あればセメント量に影響しないとしてよいことが判明した。 *細・粗骨材中に吸収される水分の測定値への影響を配慮するための指標として用いた骨材の吸水率は、骨材の吸水率が産地によって変化するため、標準的な吸水率で修正すると、誤差が大きくなることが認められた。このため、産地の違いを考慮するための新たな方法検討が必要であることが判明した。 *現場実験において、調合、ロットが同一であっても、生コン車ごとのコンクリ-ト材料の構成比(解くに粗骨材)の違いが大きいことが明らかになった。また、現在の検査体系が、強度、スランプのみを主項目としているためW/Cとスランプ値は適合しているが水量、細骨材率等硬化後のコンクリ-トの品質に影響するその他の構成材料の量および比率については十分な管理がなされていないことも明らかになった。この点については、早急に製造現場における品質管理状況の調査が必要であることがわかった。 *フレッシュコンクリ-ト中の空気量については、現在提案している同一試料での測定の方法の検討を行なっている。 *現在までの研究結果から、本研究において提案する試験システムは、細部において若干の修正をおこなうことで実用に供することのできる程度の作業簡易性と精度を有するものであるとの感触を得ることができた。 *通常の強度のコンクリ-ト(単位セメント量が400kg/m^3以下程度)に対する管理方法の原理および手法としては、ほぼ確立されたことが判明したが、次年度の研究予定としている高強度・超高強度コンクリ-ト(単位セメント量が600kg/mk^3程度)の品質管理に適用できるか否かは不明である。この点に関し、予備的な実験を行なったところ、セメント懸濁液の濾過方法等に改良を要する部分があり、強度の全領域において適用可能な試験方法へ向けてシステムの改良が必要であることが推察された。
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