1.はじめに 鉄筋コンクリ-ト構造物の劣化抑制を目途として、仕上塗材、塗布含浸材および塗料をコンクリ-ト表層に施した場合の劣化抑制効果について調査研究を実施した。本年度の成果を以下に示す。 2.研究実績の概要 2.1 実態調査 塗上塗材等を施した鉄筋コンクリ-ト構造物の劣化進行状況を、海岸部を中心として調査した。その結果、劣化抑制効果の高いものとしては、有機系仕上塗材であり、鉄筋の被り厚さの小さいもの程、劣化進行が著しいことが判明した。 2.2実験研究 仕上塗材16種類、塗布含浸材4種類、塗料1種類をコンクリ-ト表面に塗布した試験体を作製し、促進暴露および自然暴露下における中性化抑制および塩分浸透抑制効果について実験した。 その結果、以下のような知見が得られた。 (1)中性化抑制効果は、有機系複層仕上塗材、有機系薄付け仕上塗材、無機系複層仕上塗材の順となる。 2 塩分浸透抑制効果についても中性化と同様の傾向を示すといえる。 3 次年度の予定 実態調査と実験研究を継続し、研究成果の一層の充実をはかる予定である。 (注)成果の発表は、平成3年度以降の予定である。
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