研究概要 |
1.社会調査(旭川市) イエテボリ大学との共同研究の実施要領にもとづいて、1990年8月に旭川市において社会調査を行った。市内東4条近辺の主要道路(永山裏道路線)沿線の一般住居100戸を対象にアンケ-ト調査を行い,50%の回収を得た。ついで、基準点における24時間連続騒音測定と各戸への伝搬レベルの測定を行った。この結果の分析を行った。 2.社会調査(登別市) 1989年に登別市において行った社会調査を補完して,166戸を対象とする電話法によるアンケ-ト調査を行い、鉄道と自動車の複合騒音の不快感に関する住民反応を得た。回答率は81%であった。 3.交通騒音に関する住民反応の分析 1989年度,1990年度における室蘭市,登別市,旭川市の社会調査を総合的に分析した結果,現在広く採用されている騒音評価法の適合性が極めて低いことを見出した。この主たる理由は、既往の評価法は騒音の物理的要因のみを評価の根拠としていることにある.そこで、社会調査から得た情報にもとづき、住民の個人要因,環境要因,住居要因からなるパスモデルを構築し,パス解析を行った。この結果、道路交通騒音による不快感は、騒音レベルのみによっては適切に評価することは出来ず,「聴取妨害」,「睡眠妨害」,「生理的影響」,「敏感士」,「地域居住年数」を評価に取り込む必要があることを見出した。さらに地域比較の結果,これらの要因の効果は地域によって異り、その原因が自動車交通量と密接に関係していることを予見した。 4.今後の展開と課題 スウェ-デンにおける調査が進行中であり、また、熊本大学矢野隆助教授が共同研究に参加した。各地での調査を総合した知見を高めたい。
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