本年度は、本課題における研究の最終年度として、補足的な利用実態調査・ヒアリング調査の実施と、研究の総合化とを行った。 1.利用実態調査 これまでの実態調査から、図書室専任の職員がいないという管理体制のまま、各学年単位などのオ-プンスペ-スに図書・資料を分散することには、問題が多い事が判明している。そこで、専任の司書職員を備え図書・資料の分散は必要最小限に限定している事、施設面でも性格の異なる二つの関覧空間を児童の利用しやすい開放的な場所に配置している事などから、鹿児島県加世田市立加世田小学校において、利用実態の調査と、司書職員へのヒアリング並びに利用統計や読書指導の研究報告など記録・資料の収集した。その結果、開放的な閲覧空間に図書・資料を集中配置し、必要に応じて各オ-プンスペ-スへの分散を専任職員の管理Fに行うというメディアセンタ-化の方向の正当性が確認された。 2.コンピュタ-教育とオ-プンスペ-ス 近年、コンピュ-タ利用教育についてはその必要性が強く主張され、実施の具体化が図られている。これまでの実態調査では、パソコンが図書などと共に、学年単位などのオ-プンスペ-スに分散配置されていたり、あるいは専用図書室がパソコン室に転用されていたりと、学校における対応はまちまちであった。このことに関して、文献で調査するとともに、以前からパソコン教育にとり組んでいる岐阜県池田町立池田小学校において、利用実態の調査を行った。その結果、図書資料との一体的利用を促すという観点からも、パソコンは各オ-プンスペ-スに分散配置する方が効果的であろうとの結論を得た。 3.研究の統合化 3か年間にわたる本研究の成果を報告書の形にとりまとめた。
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