研究課題/領域番号 |
01550492
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岡屋 克則 東京大学, 工学部, 助手 (80134493)
|
研究分担者 |
野中 道郎 東京大学, 工学部, 助手 (70010981)
岡野 靖彦 東京大学, 工学部, 助教授 (30011092)
井上 外志雄 東京大学, 工学部, 教授 (80010742)
|
キーワード | 重回帰分析法 / 粒度分布測定 / モデリング / FORTH言語 |
研究概要 |
各種の物理現象の測定量は実際の物理量の積分値として得られる場合が少なくない。この観測されたデ-タ群からその原因となっている現象または物質のデ-タを推測するためには積分逆変換をおこなわなければならない。 本研究においては、母関数の積分変換から得られる離散型の測定デ-タに行列法による重回帰分析の手法を適用することにより、求められた母関数の推定量をどこまで真の値に近づけることができるかについての検討をおこなった。本研究でのもう一つの重要な課題は、このような行列演算を容易に記述できるプログラミング言語の開発であった。従来の言語には行列演算のための新しい演算子を定義することのできるものが原則的に存在しないので、FORTH言語によってこれを実現させた。その結果、この種の数値処理のためのプログラミングが極めて容易になり、パソコン上で大方マトリクスによる重回帰分析を実行することができるようになった。 そこでこのシステムにより積分逆変換による母関数の推定をおこなう実験をした。その結果各種粒度測定法から得られるデ-タに基づいて、真の粒度分布関数を算出できることが確認された。 さらにこの手法をニュ-ラルネットワ-クの結合係数修正に利用し、プラントの特性を学習させることができた。すなわち、特性が未知であるプラントの入出力デ-タを蓄積することにより速やかにそのプラントのモデルを作成することができる。このようなモデルが得られれば、そのプラントの挙動を予めシミュレ-ションすることによって最も効率の良い制御を実現することができる。 本研究で開発した重回帰分析法による積分逆変換の手法は、様々な物理現象を解析するのに効果的であることがわかった。
|