超音波検査法においてその分解能の向上は重要である。ここでは、反射法地震探査で用いられるデ-タ取得、処理技術を超音波デ-タに適用した。その結果、以下のことが明らかになった。 1.媒質の吸収特性が小さくて無視できる場合には、ウェ-ブレット処理およびCDP重合により分解能が向上する。 2.CDP重合法でデ-タを取得することにより、媒質中の超音波伝播速度がわかる。 3.媒質の吸収特性が大きい場合には、スペクトル比法によりその吸収特性を推定し、任意の深度における基本波形を合成し、それを用いてウェ-ブレット処理を行うことにより分解能が向上する。 4.人体の擬似生体モデルを対象として得られたデ-タに対しウェ-ブレット処理、CDP重合、マイグレ-ション、合成音響インピ-ダンスログなどのデ-タ処理を施すことにより、以下の事が明らかになった。 (1)直径1cmの大きさの血管あるいはのう胞は十分分解可能である。 (2)マイグレ-ション処理により、反射係数に対応した反射波の極性が得られる。 今後の展望としては、 1.擬似生体モデルにより分解能の限界を調べる。 2.三次元デ-タ取得および処理技術を適用する。 ことが考えれらる。
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