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1989 年度 実績報告書

坑井間物理探査法による地下亀裂面の評価に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01550496
研究機関九州大学

研究代表者

牛島 恵輔  九州大学, 工学部, 助教授 (00038001)

キーワード線電極を用いる流電電位法 / 坑井間物理探査法 / 水圧破砕実験 / パソコンによる観測システム / リアルタイムデ-タ解析 / フラクチャ-のモニタリング / 流体の挙動検出 / デジタル計測
研究概要

本研究は従来の地表からの物理探査法と異なり、既存の坑井を発信源や受信孔として利用する新しい物理探査法で、ジオトモグラフイ-と呼ばれて世界各国で研究されている。
平成元年度には、マイクロフラクチャ-を検出するための計測方式を立案するために、3次元モデル計算のプログラム(FEM3D,FDM3D)を開発し、地下の異常体が地表に及ぼすレスポンスについてシミュレ-ションできるようにした。さらに、時間的に変化する現象を迅速に計測するために、デジボル、スキャナ-(ハイブリッドレコ-ダ)を購入してパソコンでデ-タ取得、デ-タ処理、デ-タ解析に至る作業を直ちに実行できる環境を構築し、研究室において水槽モデル実験を行い、観測デ-タの精度、実験の再現性、ノイズの除去法について検討した。
秋田県秋の宮の電力中央研究所の水圧破砕実験場において、本研究で開発したデジタル観測システムを用いて、水圧破砕実験前、実験中および実験後にわたる約一ヶ月間の連続観測を実施し、膨大なデ-タをパソコンで取得し、フロッピ-デイスクに納めた。
デ-タ解析の結果、坑井を発信源とし地表の多数の測点を観測点とするいわゆる坑井→地表間探査法により、水圧破砕実験の際の圧入水の挙動をリアルタイムで検出する事に成功した。すなわち、圧入水は坑井から北東-南西方向に拡がり進展し、飽和状態になり又元の状態に近づくという破砕現象のメカニズムを解明できた。なお、この方向は、ボアホ-ルテレビやAE観測により推定されたフラクチャ-の方向とも一致した。坑井→坑井間の探査も実施した結果、破砕流体が圧入孔から出発して生産孔へ到達する位置および箇所(深度)をも明瞭に検出できた。
平成2年度からは、本システムをコンパクトにして、各地の水圧破砕実験場や地下変動のモニタリングへ応用する予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 牛島恵輔,水永秀樹,田中俊昭: "坑井間電気探査法の水槽モデル実験" 物理探査学会論文集. 80. 246-250 (1989)

  • [文献書誌] 牛島恵輔,茂木透,水永秀樹,井上貴志: "流電電位法による地下亀裂面の計測" 物理探査学会論文集. 80. 273-277 (1989)

  • [文献書誌] K.Ushijima: "Exploration of Geothermal Reservior by the mise-a-la-masse Measurement" Geothermal Resources Council Ball USA,Vol.18,No.2. 18. 17-25 (1989)

  • [文献書誌] K.Ushijima,H.Mizunaga: "Detection of cavities by the mise-a-la-masse and pole-dipole resistivity surveys" Proco of MMIJ/IMM Joint Sympo.Kyoto,Japan. 125-128 (1989)

  • [文献書誌] 牛島恵輔,水永秀樹,永浜伸也: "ポ-ルダイポ-ル法による地下空洞探査" 物理探査. 42. 324-334 (1989)

  • [文献書誌] K.Ushijima,H.Kaieda,S.Hibino,H.Mizunaga: "Fluid Flow Monitoring due to Hydraulic Fracturing by the mise-a-la-masse Measurements" Geothermal Resources Council. (1990)

  • [文献書誌] 物理探査学会: "図解物理探査" ラテイス, 239 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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