研究概要 |
1)押し出し方向軸に関して対称あるいは非対称な工具面を持つ種々の金型による平面ひずみ熱間押出し加工実験(押し比:2、ラム速度:【approximately equal】5mm/s、温度:473℃)を行い、各変形条件下における(格子法で求めた)塑性流れ及び(顕微鏡観察による)加工組織の特徴を明らかにした。さらに、工具材料を通常の金属(SKD-4)からセラミックス(SiC,Si_3N_4,TiC,Zr_2O_3)に変えた押出し加工実験を行った。Si_3N_4あるいはZr_2O_3型(平滑さ、かたさに優れるとともに低熱伝動特性を有する)の場合、塑性流れに現れるデッドメタルゾ-ンの厚さが金属型の場合よりも薄くなる事が分かった。2)押し出し加工の詳細な力学解析を行うために、ビレット材(6063アルミニウム合金)の高温変形抵抗推算法を開発した。計算法の基礎式とする加工硬化率式中の材料因子と変形温度及び変形ひずみ速度との関係式(補助式)は、カムプラストメ-タを用いた単軸圧縮試験で求めた、室温から500℃までの温度範囲ならびに0.5から30s^<-1>のひずみ速度範囲の応力-ひずみ曲線を基礎にして、数値解析により確立した。加工硬化率式と補助式を用いて、押出し加工過程における変形領域内部の相当応力分布と変形による発熱量並びに温度分布を算定する計算プログラムを作成した。同計算プログラムで変形領域内部の詳細な相当応力分布と温度分布(特に金型出口ダイ壁近傍で高い値となることが定量的に分かった)を算定した。3)押出し製品形状を支配する型からの流出方向は押出し方向に直交方向の速度uが0の線(直線で近似できる)の傾きと関係ずけることが出来る。またu=0線の傾きは型形状とデッドメタルゾ-ンを介して制御できる事が分かった。4)製品表層の再結晶は相当ひずみεを1.55以下とするかあるいは大ひずみの押出し加工では相当ひずみの分布(ひずみ勾配)を0.44ε以下(両数値は473℃時)とすると発生しないことが分かった。
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