研究課題/領域番号 |
01550537
|
研究種目 |
一般研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属加工
|
研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
谷村 眞治 大阪府立大学, 工学部, 教授 (30081235)
|
研究分担者 |
海津 浩一 大阪府立大学, 工学部, 助手 (50177317)
東 健司 大阪府立大学, 工学部, 助教授 (50173133)
|
研究期間 (年度) |
1989 – 1991
|
キーワード | 複合材料 / 金属間化合物 / セラミックス / 難加工材 / 高速変形 / 高温 / ひずみ速度感受性 / 高速超塑性 |
研究概要 |
将来を担う新素材である複合材料、金属間化合物、セラミックスなどの難加工材の高速変形特性を検討した。これらの材料は加工性に乏しいため、特殊な加工技術の開発が望まれる。この加工技術の一つが超塑性成形であるが、その最大の欠点は大きな応力の歪速度感受性(大きな伸び値に対応)の得られる変形速度が10^<ー4>〜10^<ー3>s^<ー1>程度で、工業的生産性に劣る点である。しかし、この超塑性とは全く正反対の高速域(1s^<ー1>以上)において、大きな歪速度感受性を示す事が極限られた範囲内ではあるが報告されている。本研究では、この超高速下での変形を複合材料、セラミックスなど一連の新素材に適用し、その変形挙動を詳細に調査し、その変形機構を考察する上の重要な知見を得ることを目的とした。その成果として、(1)従来圧縮試験であったため伸び値の評価が出来なかったホプキンソン棒試験機を改良することで10^4s^<ー1>までの変形速度域で大きな延性が測定できるようになった。(2)試験温度が赤外線反射炉により高温まで使用可能になった。(3)デ-タ解析にともなう入出力操作をすべてコンピュ-タ制御に変更したので実験者に起因した誤差が少なくなった。(4)SiC含有アルミニウムの基複合材料が、800K付近の温度、そして、1〜100s^<ー1>の高速度変形速度域において大きな歪速度感受性(m>0.5)を示することを明らかにした。また、その変形条件下において、500%程度の大きな伸び値を示すことを実証した。(5)高速で大きな伸び値を示した複合材料のミクロ組織は、非常に微細均一で、平均結晶粒径は350〜500nm程度であった。材料の組織制御に関する技術的困難さから、複合材料、セラミックス、金属間化合物のすべての材料において充分な成果が得られなかったが、複合材料において得られた知見から考えて、他の難加工材においても高速において大きな延性が得られる可能性は充分あるものと判断される。今後の研究課題であろう。
|