研究概要 |
微細結晶粒超塑性の実用上の難点を改善するために、超塑性発現条件の高速化を目的として以下の研究を行った。 1.7475アルミニウム合金(Alー5.7mass%Znー2.3Mgー1.5Cuー0.22Cr)およびこれに0.1,0.3,0.7および0.9%のジルコニウムを添加した組成の溶湯より急冷粉末を作製し、これを脱気→固化→熱間押出しして5種類の組成の試料を得た。 2.各試料を673Kで保持したあと、673Kで圧延した。 3.最終的に室温から673Kまでの各温度で圧延し、これらの板より引張軸が圧延方向となるように引張試験片を切り出した。 4試験温度を793Kとし、歪速度を10^<-4>〜1S^<-1>まで広範囲に変化させて引張試験し、その際の変位および荷重についてのデ-タを得た。 5.得られたデ-タを処理して、極めて高歪速度の条件下で超塑性が発現することを見出した。 6.変形直前の各試料および変形途中で急冷した試料の組織を電子顕微鏡により観察・解析して、高速度超塑性発現のための要件として (1)熱的に安定で微細な亜結晶粒組織を導入する。 (2)この組織が変形応力下で高角の粒界からなる結晶粒組織に変化させる。 以上2点が重要であることを明確にした。
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