研究課題/領域番号 |
01550554
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
美浦 康宏 九州大学, 工学部, 教授 (80037879)
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研究分担者 |
佐野 毅 九州大学, 工学部, 助手 (70037810)
堀田 善治 九州大学, 工学部, 助教授 (20173643)
根本 實 九州大学, 工学部, 教授 (90005265)
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キーワード | 超急冷 / アルミニウム合金 / 粉末合金 / 準安定相 / X線回折法 |
研究概要 |
平成2年度は、エアアトマイズ法によって作製したAlー18mol%SiおよびAlー8mol%Fe合金粉末(冷却速度:10^3〜10^4℃/秒)の組織と構造および熱安定性を、主としてx線回折法と顕微鏡法によって調べ、つぎの結果を得た。 1.Alー18mol%Si合金粉末はアトマイズ状態では平衡状態図から期待されるよりはるかに少量の初晶Siを含んでいる。すなわち、αーAl相中にはSi過飽和に固溶されており、急冷効果が認められる。組織は初晶Siと共晶(αーAl+Si)から成っている。 2.300〜500℃の間での等時間(6時間)加熱実験におけるαーAlとSiによるX線ピ-ク強度比の変化から、300℃において急冷効果の約4分の3が失われ、350℃以上ではほぼ完全に消失することが明らかになった。 3.Alー8mol%Fe合金粉末もアトマイズ状態において急冷効果が認められる。組織は初晶Al_3Feを核として発達したαーAlとAl_3Feの共晶から成っている。 4.300〜500℃の間での等時間(6時間)加熱実験におけるαーAlのx線222ピ-ク位置の変化から、過飽和のFeを含むαーAl相は350℃付近までほぼ安定であり、それ以上の温度でFe濃度は減少し始め450℃以上でほぼ平衡値に達することが明らかになった。。 5.以上の結果からつぎのことが結論される。すなわち、アトマイズ粉末を、その急冷効果を失うことなく固化成形するためには、Alー18mol%Si合金では300℃以下、またAlー8mol%Fe合金では350℃以下の温度条件が必要である。
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