CaOーAl_2O_3系2成分系ガラスを強還元性雰囲気下で溶融することによって酸素欠陥を生成しせめ、光電子放出種としてCe^<3+>をド-プングすることによって、310nmの紫外線を照射しFー中心の類似の色中心が生成することを見いだした。この色中心は580nm付近にピ-クをもつ巾広い吸収帯を与える。この吸収はフォトクロミックであり、光照射とともに成長し遮断するとde cayする。また、この吸収帯に相当する波長域の光を照射すると77Kにおいてもブリ-チングが可能であることがわかった。 色中心の構造については、吸収帯の出現・成長とパラレルに光誘起ESRシグナルが観測された。このシグナルには超微細構造はみられないことから、中心の第1近接にAlは存在しないと結論される。Ce^<3+>の励起により生成するので電子捕獲中心を結論される。よって、捕獲された電子の第一近接に存在するのは核スピンをもたないCa^<2+>であると考えられる。ESRシグナルはg値は1.998であり電子捕獲中心であることを裏付け、また、この値はCaO中のF^+中心のそれに近い。イオン結晶の場合、F中心の吸収位置(Emax)とd(アニオンとカチオンの半径和)の間にはEα1/(d^2)という関係が知られているが、ガラス中のF中心と考えられる吸収について関係を求めるとdを約20%だけ長くとると同じ関係が成立することを見出した。ガラス中では共有結合性の強いネットワ-クの隙間にカチオンが分布するのでイオン結晶中のように酸素とカチオンが密にパッキングしていないので結合距離が20%ほど長くなっていると解釈された。これらの結果はJournal of Applied Physicsへ投稿され昨年12月に受理され、本年3月に掲載予定である。 次年度は、上記ガラスの他にハライドガラスについてPHBの可能性を検討する予定である。
|