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1989 年度 実績報告書

電気伝導性パイロクロア型酸化物の合成と物性

研究課題

研究課題/領域番号 01550599
研究機関三重大学

研究代表者

菅野 了次  三重大学, 工学部, 助手 (90135426)

研究分担者 武田 保雄  三重大学, 工学部, 助教授 (60093051)
キーワードパイロクロア / 金属半導体転移 / Bi_2Ru_2O_7 / リ-トベルト解析 / 電気伝導機構
研究概要

本研究課題では金属伝導を示すBi_2Ru_2O_7と半導体であるLn_2Ru_2O_7との固溶系を合成し、電気的性質がどのように変化するかを調べた。さらにX線リ-トベルド法を用い、固溶に伴う構造変化の面からパイロクロア型酸化物の金属伝導に関する知見を得た。以下に結果をまとめる。
1.パイロクロア型酸化物Bi_2Ru_2O_7のBiサイトへ希工類元素は全域で固溶し、(Bi_<2-x>Ln_x)Ru_2O_7であらわされる一連の固溶体が合成できた。
2.抵抗の測定を20-300Kで行なった結果、抵抗率の室温での絶対値は固溶した希工類元素の組成の増加に伴ない増加した。また、すべての系においてX=1.2までは金属伝導を示し、X=1.4以上では半導体的挙動を示した。比較的大きなイオン半径を持つPr、Na、Smは固溶させた系ではX=1.4〜1.6の領域において、温度依存性の金属半導体転移を示すことをはじめて見出した。この転移について詳細な検討を行った結果、転移温度はLnの組成の増加に伴ない上昇すること、半導体領域においてpとT^<ー1/4>との間で直線関係を示すことがわかった。伝導は高度にド-プされた半導体でみられるバリアブルレンジ・ホッピング機構で起こっていて、金属半導体転移にはアンダ-ソンタイプの局在化現象が関与している。
3.伝導機構と内部構造との関連を明らかにするために構造解析を行った。(Bi_<2-x>Nd_x)Ru_2O_7ではNdの固溶に伴ない格子がのび、RuーO距離が増大しAーO距離が減少する。イオン半径の小さなDyを固溶した(Bi_<2-x>Dy_x)Ru_2O_7系ではDyの固溶に伴ない格子が縮みRuーO距離が増加しOーA距離は減少する。つまり格子定数の増減にかかわりなくRuーO距離が増加して、相互作用が低下している金属半導体転移に影響を与える。RuO_6八面体の歪みも希工類元素の固溶に伴ない増加し、RuーOーRu相互作用の低下と対応する。以上より頂点共有で三次元的に連なったRuO_6八面体の相互作用が伝導機構に影響を与えていることが明らかになった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] R.Kanno,Y.Takeda,O.Yamomoto: "Crystal Structure and Electrical Properties of the Ruthenate Pyrochlore,Bi_<2-x>Y_xRu_2O_7" J.Solid State Chem.

  • [文献書誌] R.Kanno,Y.Tkeda,O.Yamamoto: "MetalーInsulator Transition and Crystal Structure of the Pyrochlore Ruthenate,Bi_<2-x>Nd_xRu_2O_7" J.Solid State Chem.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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