研究概要 |
1.Staudenmeier法を改良したH_2SO_4,発煙硝酸,KClO_3を用いる方法および発煙硝酸とKClO_3を用いるBrodie法によって酸化グラファイトを合成し、室温〜120℃フッ素化を行った。合成した酸化グラファイトをアセトンやメタノ-ルで処理するとより結晶性が向上することがわかった。またBrodie法では他の合成法と異なり、イオン結合性の硝酸の層間化合物が除々に酸化グラファイトへ変化していくことが明らかとなった。フッ素化酸化グラファイトのX線回析測定より、フッ素化物は8.5〜9Aの大きなC軸周期距離を有し、Hummers法,Staudenmeier法で合成した酸化グラファイトの場合と同様に酸化グラファイトの構造が(C_2F)_n型であることを支持するものであった。特にBrodie法で合成した酸化グラファイトは結晶性が高く、フッ素化によって生成した(C_2F)_n型フッ化グラファイトと未反応の脱水された酸化グラファイトのX線回析ピ-クが明暸に2つに分かれ、構造解析が容易となった。 2.硝酸水溶液中における電解酸化によって合成した酸化グラファイトは結晶性が良くないため、明暸なX線回析ピ-クが最初現れないが、アセトンやメタノ-ルによる処理で結晶化が進み、化学反応によるものと同じ構造の酸化グラファイトが生成することがわかった。
|