1)臭化トリフルオロメチルとセレニドアニオンとの反応によるトリフルオロメチルラジカルの生成とその応用 臭化トリフルオロメチル(CF_3Br)とナトリウムフェニルセレニド(PhSeNa)とを反応させるとPhSeNaよりCF_3Brへの電子移動を起し、CF_<3°>及びPhSe・ラジカルが生成する。従って、オレフィン共存下に本反応を行うと、CF_3基とPhSe基が炭素-炭素結合に付加した、トリフルオロメチルセレニド体が30%の収率で得られた。フェニル基上の置換基が電子吸引基であると、収率が向上した。CF_<3°>・とPhSe・ラジカルの再結合化合物PhSeCF_3が主生成物になるので、CF_3・ラジカルをケ-ジ外に有効に拡散させ、オレフィンと反応させる工夫が必要である。 2)2フッ化キセノンとジフェニルジセレニドとの反応によるフッ化フェニルセレネニルと調整とオレフィンのフルオロセレノ化反応 2フッ化キセノンをジフェニルジセレニドと塩化メチレン中、-20℃で反応させると、PhSeFに相当する試薬が生成する。これは、室温下で除々に分散し、また水があるとセレニン酸となる。PhSeFをオレフィンと反応させると、効率良く、フルオロセレン化が進行する。 3)電解ペルフルオロアルキル化反応 トリフルオロ酢酸を電解酸化すると効率良く、トリフルオロメチルラジカルが生成する。同様に、ジフルオロ酢酸、ペルフルオロプロピオン酸をアクリル酸メチル、アクリロニトリル共存下に電解し、夫々のオレフィンをジフルオロメチル及びペルフルオロプロピル化した。
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