研究課題/領域番号 |
01550684
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
引地 邦男 北海道大学, 理学部, 教授 (30000805)
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研究分担者 |
津田 栄 北海道大学, 理学部, 教務職員 (70211381)
竹腰 清乃理 北海道大学, 理学部, 助手 (10206964)
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キーワード | κ-カラゲナン / カゼイン / ゼラチン / ミセル / サブミセル / ゲル / ゲル化 / スピン-スピン緩和時間 |
研究概要 |
κカラゲナン水溶液にRbを加えると、κ-カラゲナンはゲルを形成する。κ-カラゲナンのゾル状態及びゲル状態における水分子の分子運動を調べるため、水分子のプロトンの核磁気共鳴スピン-スピン緩和時間を測定した。その結果、κ-カラゲテンのゾル状態にはκ-カラゲナンに強く結合した水分子と自由な水分子があり、それらは速く交換していることがわかった。さらに、ゲルを形成すると、ゲルのネットワ-クに弱く結合した水分子があることを見いだした。 ミルクカゼインはキモシンの作用でゲル化する。このゲル化過程が、上記と同様に、スピン-スピン緩和時間に反映するものと考え、測定をおこなったところ、ゲル化に伴って何等の変化も観測されなかった。このことは、カゼインミセルの状態で既に水分子の運動が大きく束縛されているためで、ゲルを形成してもさらにスピン-スピン緩和時間に変化が起こるほどの水分子の運動の束縛が起こらないことを示している。そこで、ミセル及びそれを構成するサブミセルについて調べたところ、ミセルあるいはサブミセルの表面にある水分子のみが自由な水分子と速く交換でき、内部の水分子の交換は遅いことがわかった。 平衡弾性率の測定から、ゼラチンのゲル化過程はフラクタル的であることをすでに報告しているが、今回、複素剛性率の周波数依存性を測定して、ゲル化過程が動的にもフラクタル的であることを示した。 本年度に購入した磁場勾配型NMR装置の最終的な調整を行い、純水の拡散係数を測定できるようになった。
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