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1990 年度 実績報告書

ポリオルガノフォスファゼンの溶液および固体物性

研究課題

研究課題/領域番号 01550690
研究機関信州大学

研究代表者

松沢 秀二  信州大学, 繊維学部, 教授 (50021126)

研究分担者 谷上 哲也  信州大学, 繊維学部, 助手 (20155203)
山浦 和男  信州大学, 繊維学部, 助教授
キーワードポリ(ビス(βーフェノキシエトキシ)フォスファゼン / ガラス転移 / 結晶化 / 示差走査熱量分析 / エンタルピ-緩和 / 体積緩和
研究概要

ポリ(ビス(βーフェノキシエトキシホスファゼン)(PBPEP)の固体の熱的性質を示差走査熱量分析法(DSC)で調べ,昨年度にディラトメトリ-(体積測定)により得た結果と併せて検討を加えた.用いたDSC装置では低温領域(ー100〜40℃)でも測定可能であり,ガラス転移(Tg=ー10〜 ー5℃)と結晶化(特に低温での)をより明瞭に把握できるようになった.この2点について以下詳しく述べる.
(1)ガラス転移
PBPEPは結晶性ポリマ-であるが,ガラス転移での比熱の変化をDSCで捕らえることができ,昨年度明らかにした遅い結晶化と言う特性も加えると,希少価値の高いポリマ-であることが判明した.これは,昨年度明らかにしたように,側鎖基のかさ高さが分子のモビリティを小さくしていることによる.また,急冷して得たガラス化試料をTg直下で低温熱処理するとエンタルピ-緩和が観察された.昨年度ディラトメトリ-で見られたTg以上のTg近傍での体積緩和に対応するようなエンタルピ-緩和は見られなかった.このように,PBPEPはガラス状態の緩和機構,結晶状態と緩和機構の関係等の解析に非常に向いているポリマ-であることが判明した.
(2)結晶化
試料に含まれる結晶型の決定にはDSCが有効であり,昨年度のディラトメトリ-では不明瞭であったものが明らかにされた.まず,約45℃の融点を有する新しい結晶型(γ型と命名)の存在がはっきりと捕らえことができた.γ型は低分子量に現れ易い結晶型であること,また,高温α,β型に結晶化が完了した試料でもそれを降温するとγ型がさらに出現してくることが判明した.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Tetsuya Tanigami: "Crystallization of Poly(bis(βーph^^penoxythoxy)phosphazene)" Reports on Pragress in Polymer Physics in Japan. 33. 161-164 (1990)

  • [文献書誌] 谷上 哲也: "エチルアミノ化ポリホスファゼンの加水分解" Polymer Preprints,Japan. 39. 2298-2300 (1990)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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