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1989 年度 実績報告書

可視光線重合特性の優れた新規モノマ-の合成と歯科領域への応用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 01550711
研究機関東京医科歯科大学

研究代表者

中林 宣男  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 教授 (30014020)

研究分担者 石原 一彦  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (90193341)
小島 政芳  東京医科歯科大学, 医用器材研究所, 助手 (00150293)
キーワード可視光線重合 / カンファ-キノン / アクリレ-ト・メタクリレ-ト / 電荷移動型錯体 / 重合特性 / 機械的強度
研究概要

可視光線により効率よく重合を開始する系の探索を目的として、重合開始剤系の選定及びモノマ-の合成を行った。可視光線重合開始剤系として、光増感剤であるカンファ-キノン(CQ)と組み合わせる芳香族置換三級アミンの構造について、電子スペクトルの変化より検討した。三級アミンの芳香環の置換基がカルボキシル基、アルデヒド基及びカルボン酸エステルであるような電子受容性基の場合、CQとの間に暗状態で電荷移動型錯体の形成が示唆された。一方、無置換及び電子供与性のメチル基で置換された芳香環を有する三級アミンを用いた場合には、光照射状態での電子移動が主として生起することを見出した。この可視光線重合開始剤系を用いてトリエチレングリコ-ルジメタクリレ-ト(TEGDMA)の光重合特性を示査走査熱量計により重合熱を測定することにより評価した。その結果、CQとN,Nージメチルアミノ安息香酸もしくはそのエチルエステルとの組み合わせが最も重合開始効率の良いことを見出した。さらにCQと三級アミンのモル比が等しい場合、重合率が高くなることが認められ、これよりCQと三級アミンの錯形成はほぼ1:1であると考えられる。また、良好な光重合特性と機械的強度の架橋重合体を形成する新規モノマ-として、一分子中にアクリル基とメタクリル基の両方を有するアクリレ-ト・メタクリレ-トを合成した。トリエチレングリコ-ルに順次メタクリル酸クロリド、アクリル酸クロリドを塩酸捕捉剤の存在下で反応させることにより高収率でモノマ-(TEGAMA)を得る条件を見出した。TEGAMAの光重合特性をTEGDMAと比較すると、開始剤系を選定することにより重合速度及び重合率が向上することが認められた。また重合架橋物の機械的強度においてもTEGDMAに匹敵する値が得られた。これにより、TEGAMAが可視光線重合モノマ-として優れた特性を有すると結論した。

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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