研究課題/領域番号 |
01550719
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
山田 文一郎 大阪市立大学, 工学部, 助教授 (50047198)
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研究分担者 |
松本 章一 大阪市立大学, 工学部, 助手 (00183616)
圓藤 紀代司 大阪市立大学, 工学部, 講師 (10047409)
大津 隆行 大阪市立大学, 工学部, 教授 (00046864)
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キーワード | 置換アクリル酸エステル / 1,1-二置換エチレン / 極性効果 / ラジカル重合 / 共重合 / 立体効果 / 接触角 / 含フッ素モノマ- |
研究概要 |
これまでのα‐(アルコキシメチル)アクリル酸メチルの合成法の検討結果にもとづき、α‐(ブロモメチル)アクリル酸メチルとトリエチルアミンの反応で生じる4級塩のアルコ-ルによる親核置換反応でα‐(フルオロアルコキシメチル)アクリル酸メチルを得た。3級アルコ-ルやフェノ-ル類には同様の反応は適用できないので、含フッ素アルコ-ルとしてCF_3CH_2OH、CF_2HCF_2OHおよび(CF_3)_2CHOHをえらび、それぞれのフルオロアルコキシ基をモノマ-に導入した。 いずれもモノマ-もラジカル開始剤の存在下で容易に単独重合し、ジオキサン中で2mol/Lのモノマ-濃度での重合でM^^ー_n=50000-100000ポリマ-が得られた。スチレン(M_1)との共重合ではr_1=0.23〜0.37およびr_2=0.07〜0.20となり、含フッ素モノマ-が相当するアルコキシメチルモノマ-より反応性が高、これらのモノマ-反応性比からの計算でQ_2=0.70〜0.97およびe_2=0.87〜1.25が得られフルオロアルコキシメチル基の方が電子吸引性が強いことがわかる。しかし、(CF_3)_2CH置換体は、立体障害のため反応性が低下した。このように、反応点である炭素‐炭素二重結合から離れた位置でのフッ素置換や分岐が、モノマ-の重合および共重合性に影響することが明らかとなった。 得られたポリマ-は、n‐ヘキサンには溶解せず、メタノ-ル、テトラヒドロフラン、アセトンなどには溶解する。熱重量分析の結果では、ポリ(α‐フルオロアルコキシメチル)アクリル酸メチルは、アルコキシメチル置換体よりも熱安定性はよいが、ポリメタクリル酸メチルよりも低温で熱分解が起こる。水およびn‐ヘキサデカンの接触角は、いずれのフルオロアルコキシメチルアクリル酸メチルからのポリマ-も撥水・撥油性を示す。
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