粒子系と分子系の対比から、既に分級と蒸留をアナロジ-したが、流動層と液体のアナロジ-が可能であることから、液体系の抽出操作と同様な粉体抽出という概念を考え、粒子径や密度に分布のある分離について実験的に検討を行った。粒子径と密度に分布を持つ2成分の粒子は流動化状態で混ざる場合と混ざらない場合があり、液体系の溶液に相当する。従って液一液抽出に相当する粉体抽出という操作が可能である。これを利用すれば天然資源等の固体原料を粉砕し、粒子径や密度に分布のあるものを種々な成分に分離することができる。 本研究に必要な遠心式粒度測定装置SA-CP3型(0.1〜150μm)の購入を行い、ラボラトリ-オ-トメ-ションにより、デ-タの取り込み、解析をパ-ソナルコンピュ-タで同時に出来るようオンライン化した。これにより、解析を迅速に行えるようになった。 本年度の研究計画は順調に進行しており、ほぼ所期の目的を達成できた。 1.2成分系粉体の流動化状態での混合するか、分離するかの条件を、粒度と密度の関係から種々の粉体について求め、粉体抽出が可能な処理条件を明らかにした。 2.粉体抽出を構成する系、即ち、一方とは混ざり、他方とは混ざらないような第3成分の条件を実験的に明らかにし、風速、混合比、粒子径、密度、分配係数の関係を求め、その結果より最適操作条件を明らかにした。 3.分子系のアナロジ-から粒子系においても抽出のみではなく、浸出、晶析の操作も可能であることが確認できた。
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