研究分担者 |
東稔 節治 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (40029418)
TONE Setsuji Osaka Univ., Dept. of Chem. Eng., Professor (40029418)
TONE Setsuji Osaka Univ., Dept. of Chem. Eng., Professor (40029418)
TONE Setsuji Osaka Univ., Dept. of Chem. Eng., Professor (40029418)
TONE Setsuji Osaka Univ., Dept. of Chem. Eng., Professor (40029418)
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研究概要 |
種々の植物より毛状根の誘導を試み,毛状根細胞培養に関する工学的観点からの検討を行った結果,以下のような知見を得た。 1.ニンジン,西洋ワサビ,パックブン,赤ビ-トなどの植物体に<Agrobacterium>___ー <rhizogenes>___ーを感染させ,これらの植物からの毛状根の誘導に成功した。特にパックブン毛状根では,医療用酵素として有用なパ-オキシダ-ゼの活性が高く,親植物より約5倍高い酵素活性を示した。 2.毛状根の先端部に想定した成長点の分枝回数,伸長速度および減衰速度等に基づいて,毛状根の増殖速度を表したところ,種々の毛状根の増殖経過を評価することが可能となった。また,培養中の電気伝導度測定により,毛状根の細胞量および培地中の主要無機イオン(K^+,NH_4^+,NO_3^-)の濃度のモニタリングが可能となった。 3.パックブンおよび西洋ワサビから誘導した毛状根は,高いス-パ-オキシドジスムタ-ゼ(SOD)活性を有していた。パックブン毛状根の培養において窒素源の影響を考慮し,二段階培養を行った。すなわち,細胞増殖期は窒素源としてNO_3^-を含有する培地を用い,SOD生産期はNH_4^+を含む培地を用いた。この二段階培養システムでは,NO_3^-だけを窒素源として培養した場合よりも5〜7倍高いSODの生産性が達成された。 4.赤ビ-トより誘導された毛状根の培養において,培養中に酸素供給を制限することにより,著量の細胞内色素が培地中に分泌されることが分った。一時的な酸素飢餓期間を伴う反復回分培養により,全細胞内色素の約25%が培地中に生産された。さらに,培地中からの色素の回収を目的として種々の吸着担体を試験したところ,スチレンージビニルベンゼン系樹脂が適していることが分った。
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