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1989 年度 実績報告書

突然変異によるダイズ種子貯蔵タンパク質の遺伝的変異の誘発

研究課題

研究課題/領域番号 01560001
研究機関岩手大学

研究代表者

海妻 矩彦  岩手大学, 農学部, 教授 (00003773)

研究分担者 高畑 義人  岩手大学, 農学部, 助教授 (10133894)
キーワード突然変異誘発 / ダイズ種子タンパク質 / グリシニン / βコングリシニン / SDS電気泳動法
研究概要

1988年および1989年にダイズ品種「ワセスズナリ」および「毛振」の乾燥種子にガンマ-線を20〜40KR照射し、適宜世代促進を行いながらM_1〜M_5植物までを養成した。その間、M_2種子〜M_3種子を材料にして種子の一部をナイフで削り取ってタンパク質を抽出し、SDS電気泳動法により種子タンパク質のバンドパタ-ンの変異探索を行った。その結果、これまで既存品種の中には見られなかった変異を発見し、その特質を明らかにしたほか、一部の変異については遺伝様式も明らかにした。
1.ワセスズナリに30KR照射した後代から、グリシニン(11Sグロブリン)のグル-プIサブユニットのタンパク質が大幅に減少した変異体を見出した。この変異体は生存可能であり単因子劣性遺伝を示した。βコングリシニン(7Sグロブリン)に対するグリシニンの比率は原品種に比べて大幅に低下していることが、デ-ビス系電気泳動によるバンドのデンシトメトリ-で明らかにされたが、タンパク質の全体としての含量(%)は原品種に比べて僅かに低下した程度であった。
2.ワセスズナリに40KRを照射した後代から、βコングリシニン(7Sグロブリン)のαおよびβサブユニットのタンパク質がほとんど欠失している変異体を見出した。この変異はヘテロ遺伝子型からの分離体として見出されたが、幼植物段階でクロロシスを起し致死した。この変異体はその後もツギツギと分離し出現したが、いすれの種子も幼植物でクロロシスを起し致死した。同様の変異は毛振に20KRの照射を行ったものからも見出されたが、この変異体は開花期まで育ったものの結実には到らなかった。
3.毛振はβコングリシニンのα'サブユニットタンパク質の欠失に特徴があるが、このバンドの復活して来る変異体も見出された。この変異の遺伝性は今後の検討課題である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 海妻矩彦: "放射線照射により誘発されたダイズの種子タンパク質の遺伝的変異について" 日本作物学会東北支部会報. 第32号. 97-99 (1989)

  • [文献書誌] 小田中浩哉: "放射線によって誘発された大豆種子貯蔵タンパク質に関する遺伝的変異体に付いて" 育種雑誌. 39巻別1. 430-431 (1989)

  • [文献書誌] 海妻矩彦: "放射線によって誘発された大豆種子貯蔵タンパク質に関する遺伝的変異体についてII.毛振品種からの変異体" 育種学雑誌. 39別2. 148-149 (1989)

  • [文献書誌] 海島矩彦: "放射線によって誘発された大豆種子貯蔵タンパク質に関する遺伝的変異体についてIII 11Sグロブリン変異体の蛋白質含量及び油脂含量" 育種学雑誌. 40別1. (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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