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1989 年度 実績報告書

エンバク体細胞の全能性と共役する遺伝子の分析と育種学的利用

研究課題

研究課題/領域番号 01560008
研究機関大阪府立大学

研究代表者

森川 利信  大阪府立大学, 農学部, 助手 (90145821)

キーワードエンバク / 植物体再生 / 遺伝子 / DNA量 / 染色体 / カルス / 細胞間変異 / 胚培養
研究概要

1.再分化型と不再分化型の交配を多くの組合わせで行った。それらの後代(F1,F2及びBC1)の未熟胚からB5培地(2、4-D,2mg/1)によってカルスを誘導し、脱分化させた。これらの継代培養中(3ヶ月,6ヶ月及び1年)では、カルスの生長率、グリ-ンスポット形成率から最適交配組合せは'Lodi'X'Kanota'あり、最適継代培養期間は3ヵ月であることが判った。
2.最適交配組合せの後代分離の結果から再分化を支配する遺伝子数を推測した。植物体再生に関する遺伝率はF2からF3世代では0.93と非常に高く、後代での選抜が可能であることが判明した。現在、R3世代での高再生系統の選抜を行っているところであるが、カルス当たり最高30植物体を再生した高再生系統を得ている。その遺伝様式は微働遺伝子支配であり、明確な分離は認められなかった。しかし、品種'Lodi'X'Victoria'では再生能はそれほど高くないが、後代で形質の分離が認められ主働遺伝子支配であった。このように、再生能に関与する遺伝子は多種類存在することがわかった。今後再生能を量的形質として扱い統計的処理を行う必要性が出てきた。
3.再分化型カルスの短期培養(3ヶ月)や長期培養(6ヶ月)によって生じると思われる体細胞間変異(Somaclonal variation)を核当りDNA量と染色体を指標にして調べ、再分化能との関係を明らかにしている。まだ具体的な成果得られていない。未熟胚からB5培地(2、4-D,2mg/1)によってカルスを誘導し、脱分化させるといろいろな変異が生じる。この高再生遺伝子系統を用いてクロ-ン増殖させるためには、この体細胞間変異をなるべく抑える必要がある。これを実現するにはどうすれば良いか検討する。実際には、核当りDNA量と染色体構造・数を指標にして、植物ホルモンの種類と濃度を工夫しなければならないと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 大浜功,森川利信,平知明: "エンバクカルスの植物体再生能に影響する遺伝的要因" 育種学雑誌. 39(別2). 126-127 (1989)

  • [文献書誌] Morikawa, T.: "Genetic analysis on dwarfness of wild Oats,Avena fatua" Japanese Journal of Genetics. 64. 363-371 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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