1.イネ萎縮ウイルス(RDV)、イネ黒条萎縮ウイルス(RBSDV)、およびイネラギッドスタントウイルス(RRSV)のゲノムRNAの5^'および3^'端を^<32>Pで標識し、10〜12本のセグメントを電気泳動で分離後、アルカリ限定分解して二次元電気泳動を行ない、各々のウイルスの全セグメント末端塩基配列を決定した。 2.RDVの末端塩基配列は、全セグメントで5^'GGU/CAAA‥‥GAU3^'共通であった。 3.RBSDVの末端塩基配列は、全セグメントで5^'AAGUUUUU‥‥GUC3^'が共通であった。 4.RRSVの末端塩基配列は、全セグメントで5^"GAUAAA‥‥GUGC3^"が共通であった。 5.RDVの全セグメントとcDNA解析で全塩基配列の決定しているRBSDVS10とRRSVS9で両末端近傍で逆向きの繰返し配列が見出された。 6.以上の植物レオウイルスの3つのサブグル-プを代表する三種類のウイルス全てで、各ウイルスに特異的で全セグメントに共通に保存されている末端塩基配列が見出された。これらの配列は、各々のウイルスの転写や複製に重要なシグナル配列であると推定した。 7.3つの各々のサブグル-プを代表するウイルスで、ゲノム末端に逆向き繰返し配列が見つかったので、この構造は、ゲノムの複製やパッケ-ジングに重要な構造であるとする仮説を裏づけることができた。
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