研究課題/領域番号 |
01560067
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
音羽 道三 弘前大学, 農学部, 教授 (40204226)
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研究分担者 |
青山 正和 弘前大学, 農学部, 助手 (60150950)
齊藤 寛 弘前大学, 農学部, 助教授 (50003520)
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キーワード | ICOMAND / アンディック亜群 / 酸性シュウ酸塩可溶Al、Fe / 淡色黒ボク土 / A型腐植酸 |
研究概要 |
岩手、宮城両県の典型的黒ボク土(アロフェン質、非アロフェン質)を採取して比較試料とした。青森県津軽地方、秋田県の黒ボク土類縁土壌の現地調査を行ない、試料を採取し分析・測定を行なった。山形県の土壌について資料調査を行なった。 ICOMAND(1988)のAndisolの基準を用いると、青森・秋田25地点のうちAndisolに分類されるもの8点(Andisolと予想して採取した数点を含む)、andic土壌(類縁土壌)に分類されるもの15点、非andic土壌(対象として採取したもの)2点である。また我が国で論議の多い酸性しゆう酸塩可溶Al、Feの現在の基準(Alo+1/2Feo>2%)をAlO>2%に変えるとAndisolからandic土壌になるもの4点、andic土壌から非andic土壌になるもの2点である。今年度の対象土壌で重要なグル-プは海岸段丘に分布し、腐植屑が比較的薄く、B層がやや赤く(75YR)、土性が野外でも超音波処理によってもSiC〜HCになる、県農試の調査で淡色黒ボク土に分類されている土壌である。P保持量が小さいか、または基準を満たす層が薄いためandic土壌に分類されるが、交換酸度が大きく、非アロフェン質黒ボク土との関係を今後検討する必要がある。andic土壌の細砂中の火山ガラス含量を偏光顕微鏡で調べたが、火山ガラス含量と酸性しゅう酸塩可溶Al量との関係は明らかでなかった。熊田法による腐植組成はAndisol、andic土壌ともほとんどA型であるが、水田ではAp層のみPまたはB型になる場合が多い。 以上の結果からこれまで一般に黒ボク土と呼ばれてきた土壌にはかなりの割合で類縁土壌が含まれていることが明らかになった。両土壌は形態的に非常によく似ているので、野外で両者を識別できる簡便な方法の開発が望まれる。
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