研究概要 |
山形県の農耕地,一部は隣接する林地で土壌試料を採取した。津軽地方,秋田県でも若干の補足試料を採取した。概要は以下のようである: 1.土壌調査資料186地点の黒ボク土にAndisolに相当する基準(厚さ35cm以上,かさ密度0.90g/cm^3以下,リン酸吸放源数1500または1700以上)を適用すると,リン吸1700では66%,1500では47%が類縁土壌であった。類縁土壌の割合は津軽>秋田>山形で,これは火山灰の分布と厚さの反映と考えられる。表層の腐植層が発達していないもので類縁土壌の比率が高い(表層腐植質黒ボク土,淡色黒ボク土),湿性土壌でも同様。 2.本研究で記載,分析した55地点(ほぼ4分の1は土壌調査資料よりAndisolと推定された地点)の結果によると類縁土壌は次の4つのグル-プに分けられる:a、アンディック土壌性質を満たす層位を持つがその厚さが35cm以下のもの;b、アンディック亜群の基準を満たす層位のみを持つもの;c、アンディック亜群の基準を満たす層も持たないもの;d、黒ボク土ではないが地下水から富化したFeのためアンディック亜群の基準を満たすもの。aはアンディック土壌性質を満たす層位の下の層位がアディック亜群の基準を満たすか否かで細分される。いずれも火山灰の被覆が薄い場合と考えられる。bは黒味が減り腐植含量も減少し、p保持量も比較的小さい。cの化学性は火山灰に由来する土壌と著しく異なりp保持量が40%以下になる。dは黒泥土である。 3.アンディック土壌性質2(粘土含量,Alo+1/2Feoと砂中の火山ガラス含量の関係)によッてAndisolに分類される分壌は2点のみである。 4.腐植の性質は本年度は大羽・本名法を用いたが,来年度と同じく腐植の性質による類縁土壌の特徴づけは難しい。 5.現地釈取のコア試料によるかさ密度と風乾細土によるかさ密度を比較すると前者は果樹園,草地で締固めにより週大な値になる場合が多い
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