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1989 年度 実績報告書

環境水中から硝酸イオンを選択的に分離・補促する人工材料の開発

研究課題

研究課題/領域番号 01560074
研究機関島根大学

研究代表者

松井 佳久  島根大学, 農学部, 教授 (50032553)

キーワード硝酸イオン / シクロデキストリン / 分子認識 / 水質浄化
研究概要

筆者らは、環状オリゴ糖であるシクロデキストリンを化学修飾することによって、特定の無機アニオンのみを選択的に結合する材料を構築することができることを見出した。本研究はその応用として、環境水中から硝酸イオンを選択的に分離・除去する人工材料を開発するには、どのような化学修飾をシクロデキストリンに施せば良いかを明らかにすることを目的とした。今年度は以下の2つの材料を合成し、硝酸イオンに対する結合能を調べた。
1)α-シクロデキストリンの一級水酸基の一つをピリジニオ基で置換し、残りの水酸基をベンゾイル化したホスト化合物(I)を合成した。この化合物は水には溶けないが、クロロホルムには良く溶けた。硝酸イオンを含む水溶液をIのクロロホルム溶液と混合・攪拌したところ、硝酸イオンの大部分はクロロホルム層へ移行した。クロロホルム中においてIと硝酸イオンとの間には1:1型錯体が形成している。水溶液中に硝酸イオン以外の無機アニオンが共存すると、硝酸イオンのクロロホルム層への移行は阻害された。しかし硫酸イオン、リン酸イオン、フッ化物イオンの阻害効果は低く、重炭酸イオンと塩化物イオンの阻害効果はそれよりも大きかった。
2)4-ビニルピリジン-スチレン共重合樹脂のピリジニオ基とβ-シクロデキストリンのC6位とを結合したポリマ-(II)を合成した。硝酸イオンを含む水溶液中にIIを添加・攪拌したところ、硝酸イオンはポリマ-に強く吸着され、水溶液中の硝酸イオン濃度は著しく低下した。吸着はラングミュア-型の単層吸着であることも確認できた。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yoshihisa MATSUI: "Host-guest complexation of 6-deoxy-6-(l-pyridinio) derivatives of α-cyclodextrin(cyclomaltohexaose)with inorganic anions in aqueous solution" Carbohydrate Research. 192. 91-95 (1989)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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